【種類】 |
大麦には、皮が離れにくい皮麦と収穫の時点で皮が離れる裸麦とがあり、穂の形によって六条種、二条種に分類されます。(六条種は二条種の突然変異とされています。)また、米にうるち種・もち種があるように、大麦にも同様の性質が見られます。米や大麦に限らずイネ科植物のデンプン全てに存在する性質です。
※うるち種のデンプン:アミロペクチン、アミロース 、もち種:アミロペクチン |
【用途】 |
皮を搗いて圧扁(平たく押した状態)した大麦と米とをまぜて炊飯する麦めしや、焙煎する麦茶、ビール・焼酎・みそ・しょうゆ等の発酵食品に利用されています。これらの他、香煎(麦こがし)や水あめの原料にも使われます。なお、香煎というのは、大麦を煎って粉にしたもので、皮麦を原料にしたものと裸麦のものとがあります。食べ方としては、きな粉のように餅にまぶす一般
的で、その香りと風味はきな粉とはひと味違うものです。 |
【特徴】 |
大麦は、食物繊維を多く含み、その含有量は白米の約10倍にもなります。一般 には穀物が含む食物繊維は、不溶性(便通を良くするなど)の割合が高く、水溶性(血糖コレステロールの低下、血糖値の改善など)が低いのですが、大麦の場合、両方をバランス良く含んでいます。また、大麦を食べるために皮を搗きますが、食物繊維は穀粒の中心まで存在していることもあってか、“大麦は食物繊維が多く含む”が、代表的な特徴となっているようです。食物繊維の吸水性の高さから、大麦もよく水を吸い、この特徴を生かした利用方法も開発されています。
しかし、小麦の特徴でするグルテンを大麦は形成しないため、パンを焼いてもうまく膨らみません。
※グルテンはグリアジンとグルテニンから成っていますが、大麦の場合、グリアジンではなくプロラミンを成分としています。 |
【麦類】 |
大麦以外にも様々な種の“麦”が存在します。
・小麦(wheat):グルテンを形成することにより、パンや麺作りには欠かせない存在である。
・ライ麦(rye):北ヨーロッパ、ロシア圏で黒パンなどにして食べられている。黒パンは、粘りや弾力が少なく食味は小麦のものより劣るが、日にちが経っても硬くならず味も変わらない特徴がある。また、緑肥作物としても利用されているらしい。
・燕麦(oat):オーツ麦ともいう。オートミールとしてよく食べられ、栄養豊富である。 |